今日は埼玉県川口市にて進行中のSさんの家にて、左官の小沼充さんとの打ち合わせを行った
今日は埼玉県川口市にて進行中のSさんの家にて、左官の小沼充さんとの打ち合わせを行った。この現場は築100年の古民家再生である。新しいプランには、座敷の続き間があって、8畳の部屋には炉が切られ茶室となる。壁の下地は木摺で作られており、そこに小沼さんの土壁を仕上げてもらう予定だ。茶室や和室の壁を左官にする場合には、木摺り下地に土壁を仕上げてもらう。木摺下地というのは、杉の細材を柱・間柱に9mmほどの隙間を開けて打ち付けたもので、トテモ古くから伝わる構法である。一般的な石膏ボードの下地と比べると、塗りつけられる土の厚さが厚く、めり込みも入れると30mmほどの厚みとなる。小沼さんの土壁仕上げは、はじめに下塗りとして、「消石灰・麻すさ・砂・角また糊」を混ぜた漆喰を塗る。これは、次に塗る土が、シッカリと壁に付着しやすいようにするためのものである。続いて、中塗り土として、「中塗土・藁すさ・砂」を混ぜたものを塗る。この中塗り土というのは、藁が発酵するまで寝かせて使うそうだ。なんともいえない鼻をつくようなツーンという匂いがすればするほど、十分発酵した土を使っているということだ。発酵した藁にはバチルス菌群という様々な微生物がいるから、発酵が進むとそれらが活性化してより強い土になると言われている。小沼さんの場合は、まず1回塗り付けたら、そこにいぐさを伏せ込み土を被せ、続いて尺とんぼと呼ばれる麻紐を釘に結んだ状態のものを格子状に伏せ込んでいく。最近はなかなかこういう作業をやらなくなってしまったそうだが、小沼さんはこの作業を大切にしている。その後すぐに追っかけで、もう一度中塗土を塗るところまでが一つ目の工程である。
ここまで終わったら、約1ヶ月かけてカラカラに乾燥させる。冬場の場合は、もう少しかかることもある。伝統構法の土壁というのは、こういうところで時間がかかるので、工期に制限があると使いにくいのだけれど、一生に一度の大切に家であるからこそ、これくらいの余裕は持ちたいものだ。乾燥したら、上塗りに入る。上塗りは聚楽土・稲荷山黄土・浅葱土・白土など、様々な産地の土を好みで用いる。これらの土には様々な色があって、好みに応じてブレンドして使うこともできる。ますいいリビングカンパニーのモデルハウスにある茶室には、聚楽土と沖縄の赤土を混ぜた、少し鮮やかな土壁が塗られている。僕の家の茶室には、グーッと色が沈み込んだような錆びた色合いの聚楽土を塗ってもらった。上塗りの際には「土・細かい藁・砂」を混ぜた上塗り土を2回に分けて、薄く塗りつける。その仕上げ方も、フワッとした感じの平滑な仕上げから、コテを引きずって仕上げる引きずり仕上げ、太くて長い藁を円相の形に散らしたところに薄く土を塗りつけて引きずって仕上げる投げすさ仕上げなど様々だ。投げすさ仕上げというのは、千利休が作ったとされている、京都の大山崎にある妙喜庵「待庵」の壁の仕上げである。僕の家の茶室の床間の中はこの投げスサ仕上げなのだが、時間と共に、少しずつ土が錆びてきて、対照的に藁がボンヤリ姿を現してくる様子は、見ていてとても楽しい物である。左官の壁は時間を感じることができるのだ。今回の床の間の中は、黒い仕上げとしてそこにシルバーの紅葉の模様を散らす。これは改修工事前の床の間の意匠と同じである。
写真は玄関である。この玄関を入ったところの引き分けの引き戸の袖壁には赤の大津磨きをやろうと思っている。僕の現場では、どこかしらに大津磨きを採用しているのだが、今回は玄関にした。いつもは茶室の茶道口の小口壁などに採用しているのだが、土の磨きとあってしっとりとした良い風合いがある。これは漆喰磨きとは一味違う良さがあるのだ。



















こちらは鹿よけ。ナイロンだけれど、自然に還る素材である。
いよいよ伐採する木を決めた。
チェーンソーで切っているのは、施主本人。経験者ということで、今回は最後までお施主さんにやっていただいた。通常は途中で木こりさんに交代する。
最後に記念撮影である。今回はスタッフも皆、自分たちのお子様と一緒に体験した。田部井君も松原さんも良い家族サービスができたと思う。小さなお子様にとって、実際の山で木を伐るなど本当に貴重な体験だろう。協力者の皆様に心より感謝したい。





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